以前からオフィスの前の鉢植えが気になっていた。
アロエの一種だろう。
ポーキーさんによると、カンボジアでは、胃腸の調子が悪い時に食べたり、火傷を負った時は肌に塗ったりするらしい。
この前は、
シーちゃんが刈り取っていたので、何に使うのか聞いてみたらシャンプーに混ぜて使うそうだ。
遣い方も日本のアロエとほとんど同じだ。
何より名前が面白い。
こちらでは「コントイ・クルップー」というらしい。
コントイは尻尾。
クルップーはワニ。
確かにワニの尻尾のように見える。
カンボジアでワニと言えば、民話に登場し、遺跡の壁画にも刻まれている。
また、このアロエの名前から解るとおり、植物の名前よりも先に名前が付けられる程広く知られ、恐れられた存在だったはずだ。水の国と呼ばれたカンボジアでは尚更だったろう。
中国ではその姿から龍を想像し、信仰の対象となった。
ワニと龍。
見た目は似ているが、ワニを見て現在の龍ほど崇高な存在とは思えない。
しかし、当時の人はそう思った。
なぜなら、中国では既に絶滅していたから。
古来よりワニの肉は珍味として王族や貴族に重宝されていた。
さらに現在は毛皮を高級品として扱い、乱獲が進み、身近に見ることが出来たはずが、ワニ園やトンレサップ湖の養殖等でしか見ることが出来なくなってしまっている。
世の中は「適者生存」であり、「弱肉強食」であるという。
そうかもしれない。
しかし今後、ワニが植物の名前や、本で見るだけの存在になるとしたら、とても寂しい。