正月の昼間はお寺へ行ったり、その為の準備も忙しいカンボジア。
実は夜になってもお寺へ行っていた。
お寺の前の広場にはステージが組まれ、数人の歌手が歌っていた。
さらに周りには屋台が立ち並び、食事をする人、酒を飲む人、音楽に合わせて踊る人々で賑わっていた。
正月の明けた月曜日、オフィスへ行くと、「ノム・オンソゥム」を頂いた。
もち米で作った、チマキ。
中には豚の背油と豆をつぶしたものが入っている。
バナナの葉の香りと、黒胡椒のピリッとした辛さが食を進ませる。
以前はこのあたりの各家庭でも作られていたらしいのだけれど、最近の都市部では市場や商店など、正月の間でも営業しているところも多く、正月用の保存食もあまり作られなくなってきたらしい。
今回のチマキは、弊社のスタッフが正月休みで田舎に帰った際に、実家で作った物を持って来てくれた。
素朴で素直な味は、日本の田舎料理のようだ。
正月に多くの店が開いている事は確かに便利だけど、カンボジアの田舎に電気が来て、テレビが備わったら、ステージに群がる人はいなくなるかもしれない。
これからもカンボジアには多様な文化が流れ込み、コンビニやデパートができ、盆も正月もなく営業する。
そういった過剰サービスの裏で、消え去りつつあるもの。
ここの人たちがそこに目を向けるようになる為には、未だ多く時間が必要だろう。