先週から断続的に続いた停電も、何とか収まったようで、やっとブログが更新出来るようになった。
しかし、ここで生活する上では電気も必要だが、医療の方が比重が重い。
あれは2ヶ月程前だったか。
仕事が終り、バイクでの帰宅途中に、電話が鳴った。
「ボン・スレイが熱を出して病院にいる。」
ビチェさんからだった。
その日は自身の体調も悪く、熱っぽかったのだが、慌てて病院へと向かった。
時刻は夜11時頃。
薄暗いローカル病院には、ビチェさんやポーキーさん、そしてハッちゃんまでが神妙な面持ちで、座っていた。
「めぐみさんは?」
そう尋ねると、ポーキーさんが部屋の隅へと視線を送った。
見ると、カンボジア風の木製のソファに、顔までタオルを掛けられ、点滴を2本繋がれた、めぐみさんらしき人が静かに横たわっていた。
一瞬、最悪の事態を想像する。
しかし、その想像はすぐにめぐみさんの明るい声に打ち消された。
「蚊が来るからって、顔までタオル掛けるのよ。大丈夫。点滴うってたら元気になって来ちゃった。」
病院といっても、ここは全然病院には見えなかった。
ベッドもなく、特別な医療設備もない。働いている人を見ても医師免許を持っているようにも見えない。
むしろ薬局と呼んだ方が相応しいような所で点滴をうち、元気になった?
信じられなかった。
めぐみさんの横では、長い付き合いだと言うおばさんが、処方する薬を選んでいた。
私も熱っぽいという事をビチェさんが伝えてくれ、私の分の薬も処方してくれた。
薬を受け取った私は、大丈夫だと言うめぐみさんを残し帰宅。
木造アパートで薬を飲み、その日は早々と就寝した。
明くる日、私もめぐみさんも、熱も下がりすっかり元気になった。
薬が見事に効いたようだ。
めぐみさんは、これまで病気になった時もここで治療をして来たと言う。
ここに住んでる人達は、ここで生きる為の知恵があり、それを実践している。
この時、そんな当たり前の事を実感した。