かつて第2次大戦中にBM14と呼ばれる兵器があった。
旧ソ連製自走式多連装ロケット。
ロシア人達はそれを愛称の「カチューシャ」と呼び、ドイツ人達はその形から「スターリンのオルガン(パイプオルガン)」と呼び恐れた。
それの前に立った時、鳥肌が立った。
これを使用したのはカンボジア国軍であり、敵対するはポル・ポト派。
当時ポル・ポト派はこういった大きな兵器は数を所持していなかったはず。
という事は小銃一つでこれに立ち向かったのだ。
あなたはこれに立ち向かって行きますか?
何より、驚いたのがBM14(カチュ-シャ)の説明看板だ。
そこには英文で「1979年から使用され1997年に破壊された」とある。
英語のみのそっけない文章に凍てついた。
第2次大戦当時の兵器が1979年から使用され始め、1997年!まで使われていたという事実。
こういった事も歴史を勉強し、この土地の人々と話をした今なら実感できる。
ここには旧ソ連製だけではなく、ロン・ノル時代のアメリカ製や、その後の中国製の兵器が当時の状況よろしく、雑然と並べられていた。
日本語の説明はなく、ガイドもいない。そっけない英文の立て看板があるのみ。
歴史も知らず、兵器にも興味が無ければ、20分もあれば見て回れる。
是非多少の知識を有して見て貰いたい。
「カチューシャ」 というのは、ロシアによくある女性の名前 「エカチェリーナ」 の愛称。
日本で言うなら「はなこ」に近い。
よく動き、人をたくさん殺す兵器に、愛着を込めて「カチューシャ」と呼んだ。
戦争というものの異常性に気付いて貰える事だろう。
※戦争博物館
入場料$3
開館時間8:00から17:00
年中無休
ガイドなし。
ロイヤルアンコール病院手前の角を東に折れる。
国道6号線から900m
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