二十歳の時、東大寺の南大門を見て、泣き崩れた。
何の予備知識も持たずに訪れ、只只圧倒され、感動した。
思えばあれが、添乗員を始めるキッカケだった。
国道6号線から、空港の脇を通り、西門へと続く道が好きだ。
道路脇の樹木を横目に、段々と見えてくる中央塔。
徐々に鼓動が早くなる。
お堀の前でパスを見せ、一歩一歩進んでいく。
西門の前まで来れば、もう中央塔は見えない。
西門を通り過ぎ、参道へと降りれば、また、中央塔は姿を現す。
アンコールワットは世界の中心である須弥山を具現化したものと言われている。
その為か、長い参道を歩き、見え隠れする頂上を目指す様はさながら登山を思わせる。
乾季に入ったばかりの今はまだ、緑も明るく、空も澄んでいる。
観光のベストシーズンだ。
その巨大さ。
精緻な装飾。
石の質感や陰影。
宗教観や歴史的背景。
アンコールワットは見る人それぞれによって、魅力を感じるところは違うだろう。
しかし、私の心を捉えて離さないのは、「人」
ここに住む人々。
訪れる人々。
一緒に行った仲間や、ガイド、現地の物売り。
遺跡だけでなく、周りを見回すのも面白い。
PR