2008年7月
カンボジアで二つ目の世界遺産としてプレアヴィヒアは登録された。
9世紀後半から12世紀中頃までに5人もの王によって、標高650mの山頂に建立された寺院である。
左右にナーガが横たわる参道を過ぎ、4つの楼門をくぐって中央祠堂へと辿りつく。
ここはカンボジアヒンドゥー教を上手く体現しており、この山を、横たわるビシュヌ神に見立て、山岳崇拝とビシュヌ信仰の混合を目指した。
現在は楼門、祠堂など一部を除いては崩壊が激しい。
またそういうところに心を揺さぶられる。
かの時代の人々も、きっとこうしてタイの大地を見下ろしたことだろう。
いや、かつてはこの向こうもカンボジアだった時代もあったのだ。
世界遺産に登録された事で、この地を巡る争いは加速度を増し、死者をも出す惨劇を生み出した。
人を上から見下ろし征服欲を満たすという行為は今も昔も変わらないという事か。
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