子供って、本当にいい顔をして笑うよなぁと、思う瞬間がある。
海外に出てからは、大人でもそういう顔をして笑ってしまう時が多々ある。
先日「絵本を届ける活動」で、シェムリアップ市内から1時間程のところにある、ワット・セラー小学校へと行って来た。
今回の参加者は3名。
対する生徒は300名以上。
参加者一人に対して、常に数十人が群がってくるという事態に陥った。
いくら雨季で、比較的涼しいとはいえ、日中は30度を越えている。
そんな中、カンボジアの子供達と遊ぶのは容易ではない。
参加者たちは、適度に休憩を挟みながら、大勢の子供達の相手を懸命にしてくれていた。
そんな参加者の様子を、少し離れて見ていた時だった。
一人の子が後ろから、わき腹をつついて来た。
振り返ると、してやったり、という顔でこちらを見ている。
即座に今度は別の方向からも。
続いて右、左と、段々人数が増えてきた。
まずい。
あぶれた子供達がこっちに目標を定めてきた。
と、その時だった。
背中にずしっと来た。
何か乗ってる・・・
一人がやりだすと、次々にきた。
背中に乗ったり、腕にぶら下がったり、首につかまったり。
でも、さすがに女の子はできず、貰ったメダルを首からさげ、ちょっと離れて見てるだけ。
前から、後ろから、足に腕に。
ジャングル・ジムにでもなったかの様な気分だ。
めぐみさんが子供達に、「彼を何だと思ってるの」と聞くと。
「象」
だって。
この辺りは農家ばかりで、大人たちは皆忙しい。
特に雨季に入った今ならば、子供達も手伝いをしなければならず、村中の皆が忙しい。
大人は遊んでくれない。
でも、子供達は遊びたい。
甘えたい。
構って貰いたい。
すこし相手をしただけで、いい顔をして笑う。
つられてこちらも笑顔になる。
いい笑顔ってのは心許した時に出るんだな。
あういう笑顔を見て、ゴムの伸びたパンツのような、ゆるゆるの気持ちになってしまった。
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