稲作農家の多いカンボジアでは11月から12月にかけて稲刈りをしている光景を見る事が出来る。
特にここ、シェムリアップ市内中心部からバンテアイ・スレイ遺跡への途上にあるプラダック村の光景は美しい。
辺り1面に広がる金色に輝く稲穂。
その向こうにはプノン・クーレン。
軽く声を掛け、カメラを構えると、手伝いをしている子供が笑いながら手を振り返してくれた。
この村は「やし砂糖」の生産も盛んで、やしの木からとった樹液を大きな鍋で煮詰め、タブレット状にしてやしの葉でくるむという一連の作業を見る事が出来る。
物欲しそうな顔でもしていたのか、じーっと見ていたら、おばさんが出来上がった物を一つくれた。
やさしい甘さは、そのまま口に含んでもしつこくなく美味しい。
道の真ん中でカメラを構えていたので牛車が通れずに困っていた。
「ソムトー」と侘びを入れ、脇によけると、ゆっくりゆっくりと通り過ぎて行った。
すでに稲刈りの終わったところは子供たちの格好の遊び場となる。
雨季の時期に田んぼへと流れて来た蟹は、乾季になると冷たい土の中に隠れている。
しばらく眺めていたら、自慢げに収獲を見せてくれた。
普段は塩漬けにして食べるらしいが、この日は揚げて食べるんだと言っていた。
遊びの中にも生活の匂いがする。
学校では教わらない事。
でも生活に直結する事。
彼らは、自分達に必要なことは何なのかはちゃんと知っているのかもしれない。
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