シェムリアップ市内から車で20分。約200世帯が暮らす、やし砂糖作りで有名なプラダック村の村長さんの家にホームステイしてきた。
こちらの家庭は
村長のユウンさん(56歳)
奥さん(51歳)
息子さん(26歳)
娘さん(22歳)
の4人暮らし。
他に3人の子供さんがいて別々に暮らしている。
しかし、別々と言っても真裏とか隣とか、近所に住んでいるので、孫達がちょくちょく遊びに来ていた。
到着してすぐ、村長さんが、結婚式があっているから一緒に行こう、と誘われた。
カンボジアの結婚式では、儀式は別のところで親戚などと行い、友人達が来る披露宴では、食事とお酒がメイン。食事は村の女性達が手伝って作っていた。
11時に始まるからと言われ、着いたのが10時50分頃。
しかし、誰も来ない。
ようやく人が集まり始めたのが12時近くになってからだった。
そして、一度人が集まりだすと、乾杯の連続ww
延々と乾杯を繰り返し、ビールをあおる。
皆、しっかりと農業をやっているのだろう、結構な量を飲んでいた。
14時頃にはお開きとなり、帰宅。
村長さん宅の裏にある井戸で水浴びを行い、昼寝をした。
このあたりは街中に比べると随分と涼しい。
エアコンは勿論、扇風機もないのとても過ごし易かった。
目を覚ました後、近所を散策。
すると、さっきまで来ていた服を早速洗濯してくれたらしく、家の裏手に干してくれていた。
但し、鉄条網の上に。
洗濯物の脇をむけるとマンゴー畑があった。
更に進むと、視界1面に拡がる水田が現れた。
この時期のカンボジアは本当に美しい。
既に田植えが終わっているので、人影もなく、ただ蛙の鳴き声が聞こえるばかり。
何をするでもなく、ただ座って時を過ごしても、心の澱が流れていくようだった。
夕刻。
息子さんが夕飯の時間だと呼びに来てくれた。
ふと空を見ると紅く焼けていた。
夕食は干し魚とスイカ。豚肉とチンゲン菜炒め。
タマリンドで酸味を加えたスープ。
魚を食べながら、白ご飯とスイカを食べる。
これが好きなんだな。
少し強めの塩気と甘みと水分。
暑いところにぴったりの食事だ。
食事が終わると、近所に住む孫達もやって来てのTVタイム。
TVと言っても通常の放送ではなく、街で買って来たVCDを見る。
ここでは電気の値段が街よりも高い。
街中では1kw=1500R(約30円)
こちらでは1kw=5000R(約100円)
TVは安く買えるが電気代が払えない。
また通常の放送も契約制なので、なかなか見れない。
家の電気もつけず、エアコンも扇風機もつけず、TVの為だけに電気を使っているという。
近所に住む家族もここでしか見れないので、皆が集まってくる。
1時間ほどのTVタイムの後に就寝。
夜はこの蚊帳のなかで過ごした。
フラッシュを焚いているので明るく見えるが、このあたりは街灯もないので真っ暗。
手元も良く見えない。
それも手伝ってなのか、蛙、ミミズ、トカゲの泣く声が良く聞こえる。
心地よく眠ることが出来た。
朝は、本当に鶏の鳴き声で目が覚めた。
私の実家も相当な田舎だったが、こんな経験はこれまでなかった。
時計をみると5:30。
ここの家族は皆起きていて、それぞれ忙しく働いていた。
家族の様子を黙って見ていたら、息子さんが牛に草を食べさせに行くので一緒に行こうと言う。
その際、牛の手綱を持たせて貰ったのだけど、牛の重いこと。
関取と子供以上の体重差がある。
これは大変な仕事だと思った。
なんとか牛を繋ぎ、そのまま散歩へ。
昨日の水田へと出て見た。
空気が濃い。
緑も昨日より濃く見えた。
あとで、写真で見ると、違いはないのだけれど、この時はそう見えた。
この後、朝食を一緒に取り、もうお別れ。
次はいつ来るんだ?
今日の夕飯も食べに来い。
なんて事を言ってくれる。
古き良き時代、だとか
昭和の匂いがする
と言った事をカンボジアの感想として聞くことがある。
確かにそれを感じた。
携帯やインターネットなど無くても、人と人がコミュニケーションをきちんと取れた時代。
物はなくとも幸福を感じられた時代。
それは生活スタイルに因るところも大きいのかもしれない。
自動販売機があり、居酒屋にいってもタッチパネルで注文。
果てはインターネット通販。
確かに便利だ。
しかし、相手の顔が見える。
これって、とても重要な事なんじゃないか。
そう、思った。
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